2024.9.29 の週報掲載の説教

2024.9.29 の週報掲載の説教

<2024年8月4日説教から>

『御子を信じる者は永遠の命を得る』
       ヨハネによる福音書51930
 
牧師 鈴木美津子

 
はっきり言っておく。わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている。(24)

 
主イエスは洗礼者ヨハネから洗礼を授けられてから、いよいよご自身の救い主の使命をはっきりと自覚なさり、ご自分の弟子を集め、神の国について、また新しい命について教え始められた。そして、ガリラヤのカナでなされた水をぶどう酒に変えてしまう奇蹟から始まって、病の癒しや死にそうな人に命を与えると言ったさまざまな奇蹟を行ってこられた。さらには、エルサレム神殿の境内で商売している人を追い出したり、神殿を破壊せよと命じたりもした。また当時のユダヤ教の安息日の教えに挑戦して、人の子は、つまり主イエスご自身こそが、安息日の主であることを宣言された。

エルサレムにいるユダヤ教の指導者たちは、この主イエスに注目しはじめ、ついには主イエスは危険分子だ、主イエスを捉えなければならない、主イエスを殺さなければならぬとの結論に至った。

そのような中で、今日私たちに与えられた御言葉が主イエスご自身によって語られたのである。主イエスの語られた言葉は、ユダヤ人たちの非難や攻撃を和らげるようなものではなく、あるいは、彼らの思っていることは誤解だと言って弁明するようなものでもなかった。そうではなく、むしろ、自分はあなたがたユダヤ人たちのいう通りのものであると証しされたのだ。自分は父なる神と一体である、一つであると断言されたのである。「はっきり言っておく」、「アーメンアーメン、あなたがたに告げます」といって、神の子の宣言を高らかになさったのだ。

キリストの教会は「主イエスにおいて」神を礼拝し、「主イエスにおいて」神を崇めるところである。これこそが、同じように旧約聖書をもっているユダヤ教とも、イスラム教とも違う、キリストの教会の根本なのである。なぜなら、子なる神と父なる神は完全に一体であり、一つだからである。

私たちは、主イエスを通してだけ、父なる神と出会うことができ、主イエスを通してだけ、死から命へと今移ることができるのである。