NEW! 2025.2.2 週報掲載の説教

2025.2.2 週報掲載の説教

<2024年12月22日説教から>

『この日暗闇を照らすまことの光が世に降った』

ヨハネによる福音書1章1節〜18節

牧師 鈴木美津子

創造の最後、第6日目に神は人をご自身のかたちに似せて造られた。神と人との関係は美しく、嘘偽りがなく、純粋に愛し合う関係であった。ところが、人は神の命令に背き、人が神になろうとした瞬間に神から引き離され、暗闇に生きることになった。外の光はどんなに明るくても、神に背いた人の心には常に闇の陰が付きまとった。人間同士でいさかいが絶えず、この世界は、あたかも神が最初に「光あれ」と言われる以前の姿に戻ってしまったかのようであった。

しかし、神は人を捨て置かれず、一つの決心をなさった。それは神の大切な独り子であるイエス・キリストをこの世へと遣わされるという計画であった。神の言、神の思い、神の愛を伝えるために遣わされたイエス・キリストは、暗闇に生きる私たちにもう一度命をもたらす希望の光であった。

その光である神の言は、特別に選ばれた賢い人たちや能力のある人たちだけに分かるような難解な言としてではなく、誰であれ、どんな人であれ、すべての人間に伝わるようにと、今にも壊れてしまいそうな乳飲み子として、この上なく貧しい場所に、お生まれになった。自分で歩くことも話すこともできない乳飲み子、それがこの世に遣わされた神の言であった。その小さな貧しい一人の乳飲み子を通して、神は私たち一人ひとりへの愛の思いを伝えようとなされた。

私たち一人ひとりともう一度繋がりたい、もう一度愛し合う関係に戻りたいと思い続けられる神は、混沌の闇の中に生きる私たちに真の光を送ってくださった。自分の心の暗闇を知り、そこに灯された小さな光を受け入れるとき、私たちは新しい命に生き、光の中を歩んでいくことができる。たとえ今がどんな暗闇の中にあろうとも、神が私と共におられるという確信を新たにする日、それがクリスマスである。どうか 世界中の人たちにとって、私たちにとって、希望が灯りますように。